相手を知るということについて

久々に日記です。人間関係の事で思うことがあったので、忘れないうちに記しておこうと思います。

考えのきっかけは、昨日の飲み会。大学の授業も終わって1ヶ月が経ち、友人に会うのは久々でした。お店に入って僕の隣の席に座った友人Mさんも例に漏れず久しぶりの再会でした。しかし、しばらく会えていない人達でもtwitterの途切れ途切れに流れる短い文章を辿ってなんとなく「ああ、今日も日常的な生活を送っているんだろうな」と思っていました。

「最近どう?」僕はMさんに声をかけてみました。すると、「最近はずっと家にいて、やってくるお坊さんとか知人の相手をしてた」と返って来ました。僕はこの時点でもまだピンと来ていませんでした、が、明らかに意外な返事だったので僕は疑問に感じ、不用意にも「(お坊さんって)何で?」と聞き返しました。実は、Mさんの父親が年の暮れに亡くなっていたのでした。

必要はないと思うので詳しい事をここで語るつもりはありません。とにかくそれを聞いて僕が思ったのは「なんで気付いてあげられなかったんだろう」ということ、「辛い思いをしたんだろうな。それでも飲み会に出てきてくれたのは嬉しい」ということでした。すぐさま向かい側に座っていた後輩が気を利かせてか、明るい方向に話題を変えましたが、僕は表面上さえもなかなか簡単に流せなかったので、後は適当に話を聞き流していました。下手に気を遣うのもありがた迷惑だとは思ったし、だからと言ってその話の直後で他の笑い話に夢中になるのも義理というか情けというか、そういったもののために憚られたのでした。

僕は帰宅してからMさんのtwitterのツイートを見返していました。最初は、僕は何か傷付けるような事を言っていたのではないだろうか、早く気付くことは出来なかったのだろうかと思って見返していました。基本的にMさんのツイートはいつも通りの様を呈していました。すると、ツイートを遡っていくに従って、いくつか例の出来事に関する心境が語られているツイートが見つかりました。今見てみればかなり分かりやすいサインでした。しかし、当時の鈍感な私はツイートの裏に込められた意味を考えることもなく読み流していたのでした。

私はtwitterで170人余りの人をフォローしています。主なフォローの相手は大学で知り合った友人・知人です。実際には義理みたいな感じで、知人だから相互フォローしている、という相手も大勢いて、特に普段から話したりしない人も多かったのですが、それでもなんとなく「Aさんは今日はどこどこに出かけているんだ」「Bさんは課題やバイトで相変わらず忙しそうにしているな」とか、そういう情報がなんとなく見て取れるので、少しは分かっているつもりでした。でも、そんなの何の意味もなかったのです。170人余りの呟きを相手にしていながら一人ひとりの事なんて勿論分からないんです。そんなの当たり前なんですが段々そういう考えさえも麻痺してきていたのです。

「SNSで人と人はつながれる」とはよく言いますが、大勢を相手に互いの近況を断片的に文章や画像や映像で見るだけでは分からないことなんて沢山あります。それに勿論、ネット上という一気に世界中に情報が拡散される場で、自分の本心、特にネガティブな本心を発信する事には抵抗があって然るべきです。

ネガティブな人に人は寄って来ません。しかし、その人をよく知ろうと思うのであれば、ネガティブな面は無視できません。だからこそ、本当によく知りたいと思う相手は、実際に会って話してよく見守ってあげないといけないと思うんです。とはいえ、僕の勘が下手に良くて、不用意な言葉を掛けなかったのは幸いだったのかも、とも思っています。

次に僕は自分自身のツイートを見返していました。そして思ったのは、自分が発信した言葉の空っぽさに唖然としたんです。呟いているときはそれなりに自分を表現できている気になっていたのですが、見返してみると空っぽなんですね。もしこれらの呟きで相手の事を分かった気になっている人がいたらどうしようと思うくらいです。もしこんな薄っぺらい呟きだけで自分という人間が他人の中で形成されていたら……。

くどいようですが、SNSは人と人をつなげるツールだと言われています。開発者は会員数を増やすために、様々な便利な機能やゲームなどは日々充実させています。しかし、開発者・ユーザ共に考えて欲しいのは「SNSだけでコミュニケーションを済ませてはならない」ということです。SNSを使うなという訳では決して無いです。ですが、SNSだけで相手と完全にコミュニケーションが取れると勘違いしてはいけないんです。僕はこれを機会にSNSに頼りすぎるのはやめたいと思いました。

技術が発展し、コンテンツが発展し、僕達は時代に遅れを取らないようただただ追いかけていきます。しかし、新しいモノが目の前に現れても使い勝手や効果はよく使い込んでみないと理解しきれないんです。新しく生み出されるモノや情報に人々が追いつけない問題。これをちょっとでもどうにかできるようなデザインをしたい。僕はそう思いながらこれからもデザイナーを目指していきたいと思います。

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